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【2025年最新】欧州高配当ファンド徹底比較|新NISAで選ぶおすすめ投資信託ランキング

【2025年最新】欧州高配当ファンド徹底比較|新NISAで選ぶおすすめ投資信託ランキング
※本記事にはプロモーションが含まれています
一部リンクはアフィリエイトを利用しています。商品・サービスの選定は実体験に基づき、正確な情報提供を心がけています。
欧州に投資できる4つのファンドの特徴

欧州に投資できるファンドが盛り上がっていると思いませんか?
新NISAで検討したいと思っても米国や日本株に比べて情報が少ない欧州株式ですが、安定した配当と国際分散の効果が期待できる選択肢です。私はS&P500やオルカンで成長リターンを狙いながら、欧州高配当ファンドでは“高配当+分散”を重視しています。

本記事では SBI欧州高配当ファンドSMT欧州株配当貴族インデックス楽天欧州インデックスニッセイ欧州500 を比較し、配当・コスト・分散効果をわかりやすく整理しました。さらに、新NISAで選ぶおすすめファンドや投資判断のポイントも紹介します。

👉この記事でわかること

  • 欧州高配当ファンドの特徴(配当・コスト・分散性)
  • SBI欧州高配当・SMT欧州株配当貴族・楽天・ニッセイの違い
  • 新NISAで欧州投資信託を選ぶ際の比較ポイント
  • 配当金・隠れコスト・二重課税などのよくある疑問

👉 2025年に実際に投資した日本・欧州高配当株や投資戦略の記事はこちら

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Contents
  1. はじめに:私の新NISAでのインデックス投資と高配当投資戦略
  2. 欧州投資信託・ETFの徹底比較|国・業種の分散効果も解説
  3. 欧州投資信託4本の特徴と向いている投資スタイル
  4. 配当金を受け取るSBI高配当と、増配で資産を育てるSMT欧州配当貴族
  5. 欧州インデックス投資信託|楽天(MSCI Europe)とニッセイ(Solactive 500)の違い
  6. 欧州投資信託4本の特徴まとめと私の投資戦略(2025年→2026年)
  7. 欧州高配当投資のよくある疑問Q&A|分配金・タコ足・二重課税
  8. まとめ|欧州投資信託・ETFを補助枠としてどう活用するか

はじめに:私の新NISAでのインデックス投資と高配当投資戦略

事実、欧州に投資できるファンドは2024年から増加しています。新NISAのスタート以降、多くの人が「どの投資信託を選べばいいのか」と迷う中で、私が注目したのは 欧州高配当ファンド です。

私の投資スタンスはシンプルで、

  • インデックス投資 → S&P500とオルカン(全世界株式インデックス)
  • 高配当投資 → 米国ETFを中心に、日本株・欧州株の高配当ファンドで分散

という役割分担をしています。そのため欧州には「安定した配当」と「地域分散」の効果を期待しています。

また、私は企業分析を細かく行う時間がないため、運用を任せられる投資信託を選び、信託報酬+隠れコストが抑えられるかどうかを重視して判断しています。こうした視点から、欧州高配当ファンドの比較検討を進めています。

この章ではまず、簡単に私が新NISAではどのように インデックス投資高配当投資 を使い分けているのか。次に、その具体的な方針を整理してみます。

新NISAでの投資方針|インデックスと高配当の使い分け

用意するべき3つの資金

私が新NISAを使ううえで意識しているのは、「何のために」「どの手段で」「いくら必要か」という目的別の投資設計です。サイドFIREを目指す我が家では、次の3つの柱に分けて資産形成を考えています。

日々の生活費 → 高配当投資
労働収入と節約でベースを固めつつ、配当金を積み上げてサイドFIREを実現するのが目標です。2030年には年間120万円(=月10万円)の配当収入を目指しています。米国ETF(VYM・HDV・SCHD)や国内ETF(日経高配当50など)を中心に、新NISAの成長投資枠で運用しています。

教育資金→ インデックス投資
子どもの大学進学に向けて、インデックス投資をコツコツ積み立てています。目標は元本1,000万円。旧NISA・ジュニアNISAを経て、今は新NISAのつみたて投資枠で全世界株式をメインに運用。教育費は公立進学を基本としつつ、不足分は奨学金も活用予定です。

老後資金 → 高配当&インデックス投資
生活費は配当で、ゆとり費はインデックス資産の取り崩しでまかなう計画です。目標は夫婦で月40万円。長期的には増配を取り込みつつ、インデックスと高配当を組み合わせて安定したキャッシュフローを設計しています。

このように、「成長リターンはインデックス」「安定収入は高配当」 と役割を分けるのが基本方針です。新NISAでは、つみたて投資枠でインデックス、成長投資枠で高配当ファンドを組み合わせ、目的に応じた投資を実践しています。

👉 投資戦略の詳細の記事はこちら

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S&P500に期待する成長リターン|欧州インデックスは勝てるのか?

インデックス投資部分で私は、「成長リターンを追うなら欧州インデックスだけでは足りない」と考えています。過去の株価騰落率をみると、S&P500には「圧倒的な成長力」があり、これをポートフォリオの一部に入れることが長期的には非常に有効です。

以下は、MSCI Europe(欧州インデックス)S&P500 の過去5〜10年の年率リターン比較データ例(配当再投資込み)を簡易に比べたものです:

指数過去5年
年平均トータルリターン(USD)
過去10年
年平均トータルリターン(USD)
S&P500約 15〜18%約 12〜14%
MSCI Europe約 7〜10%約 6〜8%

このような差は、「成長企業の比率」「テクノロジー等の業界比率」「企業収益の伸び」「市場バリュエーション」が主な要因です。

S&P500は近年、ハイ・テクノロジーやAIなど成長セクターへの投資が収益に強く貢献しており、株価上昇が大きくなっている傾向があります。対して欧州インデックスは金融、消費、公共サービスなど、成長性がやや穏やかなセクターが割合を占めており、成長の伸びしろで差が出やすいと考えています。

結論

長期で見た成長性を重視するなら、欧州インデックスだけでは不十分であり、S&P500・オルカンを主要な成長エンジンとして据える方針が私には合っています。欧州には配当と分散の魅力がありますが、それだけで“成長”をまかなうのは難しいと感じます。

欧州高配当に求める安定配当・低コストと地域分散

投資戦略まとめ

私の現在の高配当戦略では、米国ETF(VYM・HDV・SBI-SCHD)を中心に据えています。さらに、日本株についても日経高配当50などを活用して、為替リスクを抑えつつ円建ての安定的な配当収入を確保しています。

そのうえで欧州ファンドに求めるのは、次の3つです。

  • 安定した配当と増配余地
     米国ほどの成長力は期待しないものの、欧州企業は成熟企業が多く、長期的に安定した配当政策をとる傾向があります。特に生活必需品や金融などディフェンシブ業種を含む点は魅力です。
  • 低コストでの運用
     欧州株投信は「信託報酬+隠れコスト」が高めになりがちです。SBI欧州高配当や低コストのインデックス商品を選ぶことで、米国ETFや国内ETFと同じ感覚で組み入れやすくなります。
  • 地域・通貨の分散効果
     米国に偏りがちなポートフォリオに、欧州を加えることで地政学的・為替的リスクを分散できます。日本株ではカバーしきれない「地域分散」を担うのが欧州ファンドの役割です。

つまり欧州への投資は、「リターンの最大化」ではなく、安定配当+分散効果を加えてポートフォリオのバランスを整える一手です。お試し枠から始めつつ、将来的に米国・日本と並ぶ「第3の柱」に育てられるかを見極めていきたいと考えています。

2025年高配当投資戦略まとめ
カテゴリ目標額(円)内容・意図
body🇺🇸 米国ETF主力1,200万VYM・HDV・SBI-SCHDに各400万円ずつ投資。配当成長・利回り・円建てアクセスのバランスを重視した“主力3本柱”
🇯🇵 国内ETF主力400万1489、tracers日経高配当を中心に、為替リスクを避けつつ円建て配当を安定的に受け取る設計
🇯🇵 お試し枠
(国内)
400万NEXT FUNDS 野村株主還元70(2529)、SBI日本高配当に日本株の分散として保有。現在は、アムンディ高配当(累進配当指数)に興味
🌍 お試し枠
(海外)
400万欧州・新興国を検討中。地域・通貨分散を進め、米国偏重を緩和する目的

こうした投資方針をふまえて、次に実際に 欧州投資信託やETFの中からどのファンドを比較対象に選ぶべきか を整理していきます。

欧州投資信託・ETFの徹底比較|国・業種の分散効果も解説

欧州には多くの高配当ファンドやインデックスファンドが存在します。しかし、新NISAで実際に利用できる商品や、配当・コスト・分散の観点で選択肢に入るものは限られています。

本章ではその中から、比較すべき主要ファンドを絞り込み、選定理由を整理していきます。そのほか、毎月分配型や経費率の高いETFについても今後の参考のために簡単に触れます。

対象ファンドと選定理由

今回比較するのは、以下の4本です。いずれも 経費率が0.6%以下 に収まる可能性があり、特徴がはっきり分かれるため取り上げました。

  • SBI欧州高配当(アクティブ/分配型)
  • SMT 欧州株配当貴族インデックス(S&P Europe 350 Dividend Aristocrats連動)
  • 楽天 欧州株式インデックス(MSCI Europe連動)
  • ニッセイ S 欧州株式500(Solactive Europe 500 Select連動)

この0.6%という水準は、SBI証券で投資できる欧州18か国の高配当企業30社により構成されるETF FDD(STOXX欧州セレクト配当30連動) の経費率0.59%を目安に設定しました。参考ですが、FDDの直近配当目安4.33%となります。

また4本の位置づけは次のとおりです:

  • (分配金あり)高配当アクティブ型:SBI欧州高配当
  • (分配金なし)高配当インデックス型:SMT欧州配当貴族
  • (分配金なし)インデックス投資型:楽天欧州、ニッセイ欧州500

基本情報比較(コスト・騰落率・配当利回り)

欧州投資信託は「高配当型」「インデックス型」とタイプは異なりますが、投資家にとって最も重要なのは コスト(信託報酬+実質コスト)・騰落率・配当利回り です。以下の表に、最新レポートや交付目論見書を基にまとめました。

※楽天・ニッセイは設定直後(2025年8〜9月)のため、騰落率など長期データはまだありません。参考として指数データを補足しています。

対象ファンドの基本情報まとめ
項目SBI欧州高配当SMT配当貴族楽天欧州ニッセイ欧州500
投資対象/ベンチマーク高配当株
(アクティブ)
S&P Europe 350 Dividend AristocratsMSCI EuropeSolactive Europe 500 Select
信託報酬
(年率・税込)
0.099%0.6050.3080.297
実質コスト
(参考)
0.590.6050.3080.298
決算/
分配月
年4回/
3・6・9・12
年2回/
なし
年1回/
なし
年1回/
なし
設定日2024年2月28日2017年11月28日2025年8月14日2025年9月10日
銘柄数9444400500
純資産総額
(億円)
199.3813.355.32設定直後
1年騰落率
(配当込)
19.58%7.5%
3年年率
(配当込)
49.53%
配当利回り *4.59%2.83%
(指数予想)
3〜4%
(指数予想)
3〜4%
(指数予想)

* 注:「ファンドの分配利回り」「指数の配当利回り」 は別概念。無分配ファンドは指数側の配当利回り/増配傾向を掲載。期間不足は指数で補完し、注記する。

欧州投資信託4本の特徴と向いている投資スタイル

欧州に投資できる4つのファンドの特徴

ここでは、SBI欧州高配当・SMT配当貴族・楽天欧州・ニッセイ欧州500の4本について、上位銘柄・業種・国別の投資割合を中心に整理しました。「どんな特徴があるか」「どんな人に向いているか」をざっくり知りたい方はここを読めばOKです。さらに詳細なデータや、私自身の投資方針を知りたい方は次の章をご覧ください。

  • SBI欧州高配当(アクティブ・分配型)
     毎年の配当を実感したい人向け。利回りは厚めだが、分配の源泉(普通/特別)やトータルリターンの確認が必須。
  • SMT欧州配当貴族(インデックス・無分配型)
     連続増配ルールに基づく指数。企業の“増配文化”を取りに行きたい人向け。無分配で再投資されるため、複利効果を長期的に狙える。
  • 楽天欧州株式(MSCI Europe連動)
     欧州の代表的な大型株をシンプルに持ちたい人に最適。データや比較情報も豊富で、分かりやすさ重視の投資家に合う。
  • ニッセイ欧州株式500(Solactive 500連動)
     500銘柄を広くカバーし、中小型株も含めて分散を厚くしたい人向け。低コストで、サテライトとして欧州を薄く取り入れたい場合に有効。

📌 さらに深掘りしたい方へ
上位銘柄やセクター別・国別の割合を詳しく確認したい方、また私自身がどう戦略を立てているかを知りたい方は、この先の章を読み進めてください。

配当金を受け取るSBI高配当と、増配で資産を育てるSMT欧州配当貴族

配当金を受け取るSBI高配当と、増配で資産を育てるSMT欧州配当貴族の違い

欧州ファンドの中でも特に性格が分かれやすいのが、SBI欧州高配当SMT欧州株配当貴族です。どちらも「欧州×配当」をテーマにしていますが、運用方針やお金の流れの設計は対照的。

  • SBI欧州高配当:分配金を直接受け取れるアクティブ型。配当収入をキャッシュフローとして実感できる。
  • SMT欧州株配当貴族:10年以上連続増配の企業群に連動。無分配・自動再投資で、複利効果を最大化する設計。

つまり、「今すぐ配当を受け取りたいか」か「時間を味方にして資産を育てたいか」 でスタンスが分かれます。この章ではまず両者の構成銘柄や国・業種の傾向を確認し、その後に分配型と複利型の設計の違いを整理。最後に事実ベースで比較まとめを示します。

SBI欧州高配当の構成(上位5銘柄・国/業種の傾向)

SBI欧州高配当は、欧州の金融(銀行)を中心に、生活必需品やエネルギーなど“配当の厚いセクター”に幅広く投資しています。2025年8月時点の組入上位銘柄・国・業種の比率を整理しました。

SBI欧州高配当の上位5銘柄(2025年08月)
投資銘柄業種投資割合配当利回り
1BANCO DE
SABADELL SA
スペイン銀行3.36.7
2BRITISH AMERICAN TOBイギリスタバコ2.545.7
3HSBC HOLDINGS PLCイギリス銀行2.204.79
4UNICREDIT SPAイタリア銀行2.154.64
5ERSTE GROUP BANK AGオーストリア銀行2.133.64

この表から配当利回りの高い銀行株やタバコ株が上位を占めており、安定した配当を狙う設計になっていることがわかります。

また、国別の投資先を見るとイギリスやドイツ、スペインなど欧州主要国にバランスよく投資されており、地域分散の効果は期待できます。

SBI欧州高配当の上位投資先国(2025年08月)
組み入れ上位国・地域比率(%)
イギリス18.28
ドイツ13.77
スペイン12.29
フランス11.60
イタリア10.49

ただ、業界としては銀行(28%)が突出して大きな割合を占め、次いで資本財や通信、エネルギーが並んでいます。金融セクターの動向に影響を受けやすい構造です。

SBI欧州高配当の上位投資セクター(2025年08月)
業種比率(%)
銀行28.23
資本財11.34
電気通信サービス8.88
エネルギー7.99
薬品・バイオテクノロジー・
ライフサイエンス
6.75

このようにSBI欧州高配当は「銀行株を中心とした高配当セクターへの集中投資」が特徴です。一方で、次に紹介するSMT欧州株配当貴族は、連続増配企業を軸としたインデックスで、構成の分散や成長性へのアプローチが大きく異なります。

SMT欧州株配当貴族の構成(上位5銘柄・国/業種の傾向)

SMT欧州株配当貴族は、「過去10年以上連続で増配してきた企業」に絞り込んだインデックスに連動するファンドです。
SBI欧州高配当が“銀行株中心の高配当狙い”だったのに対し、SMTは資本財・医薬品・テクノロジーなど、安定成長と増配余力を重視した構成になっています。

SMT 欧州株配当貴族の上位5銘柄(2025年08月)
投資銘柄業種投資割合配当利回り
1SPIRAX GROUP PLCイギリス資本財2.472.27
2ASHTEAD GROUP PLCイギリス資本財2.421.52
3UCB (GROUPE)ベルギー医薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス2.370.69
4LOGITECH INTERNATIONAL-REGスイステクノロジー・ハードウェアおよび機器2.291.40
5BRITISH AMERICAN TOBACCOイギリス食品・飲料・タバコ2.255.68

ここから分かる通り、配当利回りの高いタバコ株も含みつつ、医薬品やテクノロジーなど「景気変動に強い分野」もバランス良く組み込まれています。

SMT 欧州株配当貴族の投資上位5か国(2025年08月)
組み入れ上位国・地域比率(%)
イギリス29.66
スイス25.11
ドイツ5.93
デンマーク5.77
スウェーデン4.41

投資国イギリスとスイスの比率が半分以上を占めるのが特徴で、欧州主要先進国に集中しつつも分散の効いたポートフォリオになっています。

SMT 欧州株配当貴族の投資上位5業種(2025年08月)
業種比率(%)
資本財19.28
薬品・バイオテクノロジー・ライフサイエンス12.81
食品・飲料・タバコ10.42
素材7.67
テクノロジー・ハードウェアおよび機器6.64

銀行依存度が高かったSBI欧州高配当とは異なり、SMTは「業種分散」と「増配の持続性」を重視した構成です。ディフェンシブ性が高く、長期での安定成長を目指す設計といえます。


📌 次章では、SBI欧州高配当とSMT欧州株配当貴族の特徴を整理し、事実ベースでの比較をまとめます。

SBI欧州高配当とSMT欧州株配当貴族の比較まとめ

SBIは「今すぐの配当を受け取る仕組み」、SMTは「長期的に複利で資産を育てる仕組み」。同じ「欧州×高配当」でもアプローチは真逆であり、投資家のスタンスによって選択肢が大きく変わることがわかります。

観点SBI欧州高配当SMT欧州株配当貴族
投資対象の特徴銀行株の比率が高く、タバコ・エネルギーなど利回りの厚い伝統的セクター中心資本財・医薬品・テクノロジーを含む分散型。増配余力とディフェンシブ性を重視
国別の特徴英国・ドイツ・スペインなど主要国にバランス分散。金融依存度が高く欧州金融動向の影響を受けやすい英国とスイスで全体の半分以上を占める。安定した大型企業にやや集中
業種構成の特徴銀行(約28%)が突出。資本財・通信・エネルギーなどが続く資本財・医薬品・生活必需品などディフェンシブ業種が中心。業種分散が効いている
運用の設計アクティブ型で分配金を定期的に受け取れる。キャッシュフローを重視する設計インデックス型で無分配。自動再投資による複利効果を狙う設計
配当利回り(参考値)ファンド分配金利回り 約6.0%/組入銘柄平均 6.6%指数ベース 約2.8%〜3.0%(連続増配条件付き)
コスト信託報酬0.099%、実質コスト0.59%前後信託報酬0.605%、実質コスト0.605%

このように“分配型と複利型”という投資のスタンスで明確な選択肢がある一方、インデックス投資の領域にも欧州ファンドの比較対象があります。それが「楽天欧州(MSCI Europe連動)」と「ニッセイ欧州500(Solactive 500連動)」です。

欧州インデックス投資信託|楽天(MSCI Europe)とニッセイ(Solactive 500)の違い

楽天(MSCI Europe)とニッセイ(Solactive 500)の違い

欧州インデックスファンドの中で注目すべきは、MSCI Europeに連動する「楽天欧州株式インデックス」と、Solactive Europe 500に連動する「ニッセイ欧州株式500」の2本です。

両者はどちらも「低コストで欧州全体を広く押さえる」という点で似ていますが、実際には対象銘柄数・構成比率・分散の仕方に違いがあります。

この章では、まずそれぞれの上位5銘柄や国・業種の分布を整理し、その後に「楽天=代表指数」「ニッセイ=広域500銘柄」という特徴の違いを事実ベースで比較していきます。

楽天欧州の構成銘柄上位5位・セクター・国別の割合

楽天欧州株式インデックスは、MSCI Europe指数に連動するパッシブファンドです。欧州全域の大型株を幅広くカバーし、成長性のあるIT企業からディフェンシブな医薬品、金融まで分散されているのが特徴です。ここでは、2025年8月時点の上位銘柄・国別構成・業種別構成を見ていきます。


まず、上位5銘柄にはASML(オランダ)やSAP(ドイツ)といったIT関連企業に加え、ノバルティス(スイス)、アストラゼネカ(英国)など医薬品大手が名を連ねています。ETFを通じた指数連動も大きな割合を占めており、実質的に欧州全体に広く投資されていることが分かります。

投資銘柄業種投資割合(%)配当利回り(%)
ISHARES CORE MSCI
EU(ETF)
その他その他7.61.07
ASMLホールディングオランダ情報技術2.10.94
SAP SEドイツ情報技術2.01.07
アストラゼネカイギリスヘルスケア1.72.06
ノバルティススイスヘルスケア1.73.51

次に国別の構成比率を見てみると、英国・フランス・ドイツ・スイス・オランダといった主要5か国で約66%を占めています。地域分散は効いているものの、やはり欧州の大国が中心です。

組み入れ上位国・地域比率(%)
イギリス19.9
フランス14.5
ドイツ13.6
スイス12.5
オランダ5.8

さらに業種別構成を見ると、金融が最大の20.9%を占め、次いで資本財・サービス16.9%、ヘルスケア12.0%と続きます。金融の存在感が大きい一方で、ディフェンシブ性のあるヘルスケアや生活必需品も一定の割合を確保しており、成長力と安定性の両立を狙った構造といえます。

業種比率(%)
金融20.9
資本財・サービス16.9
ヘルスケア12.0
生活必需品8.4
一般消費財・サービス7.1

📌 まとめ
楽天欧州は、

  • 上位銘柄ではASMLやSAPのようなIT企業ノバルティスやアストラゼネカといった医薬品大手が並ぶ。
  • 国別では、欧州主要5か国で全体の2/3を占め、大国中心の配分。
  • 業種では、金融・資本財・ヘルスケアの3本柱が大きな比率を持つ。

ニッセイ欧州株式500(Solactive 500)構成(上位5銘柄・国/業種の傾向)

ニッセイ欧州株式500は、Solactive Europe 500 Select指数に連動するファンドです。欧州主要500銘柄をカバーするため、より広域に分散されるのが特徴です。金融や資本財といった景気敏感セクターを多く含みつつ、ASMLやSAPなど成長力のある情報技術株、ノバルティスやアストラゼネカといったヘルスケア大手も組み入れられています。


まず、上位5銘柄を確認すると、オランダのASML、デンマークのSAP(※)、スイスのノバルティス、英国のアストラゼネカ、HSBCなど、成長性と安定配当を兼ね備えた企業が並んでいます。

ニッセイ欧州株式500の上位5銘柄(2025年09月)
投資銘柄業種投資割合(%)配当利回り(%)
ASMLホールディングオランダ情報技術2.420.94
SAPデンマーク情報技術2.061.07
ノバルティススイスヘルスケア1.893.51
アストラゼネカイギリスヘルスケア1.892.06
HSBC HOLDINGS PLCイギリス銀行1.874.68

次に国別構成を見ると、イギリスが22.8%と最多で、フランス・デンマーク・スイスが続きます。その他の国が3割を超えており、楽天欧州(MSCI Europe)よりも裾野が広い点が特徴です。

組み入れ上位国・地域比率(%)
イギリス22.8
フランス15.0
デンマーク14.8
スイス14.4
その他33.0

さらに業種別構成をみると、金融が22.5%と最も大きく、資本財・サービス19%、ヘルスケア12.4%、一般消費財11.7%、生活必需品9.3%と続きます。景気敏感セクターの比率がやや高めで、成長余地とボラティリティの両方を抱えるポートフォリオです。

業種比率(%)
金融22.5
資本財・サービス19.0
ヘルスケア12.4
一般消費財・サービス11.7
生活必需品9.3

📌 まとめ

  • 上位銘柄:ASMLやSAPのような成長株と、ノバルティス・アストラゼネカ・HSBCといった安定配当株が並ぶ。
  • 国別:イギリス中心だが、その他の国にも3割超を配分し、地域分散が厚い。
  • 業種:金融・資本財など景気敏感セクターの比率が高く、回復局面に強い一方で値動きは大きくなりやすい。

楽天欧州(MSCI Europe)とニッセイ欧州株式500の比較まとめ

楽天欧州(MSCI Europe)とニッセイ欧州株式500は、どちらも欧州の大型株を広くカバーするインデックスファンドです。ただし、対象指数や分散の厚みが異なるため、投資家が得られるメリットも変わってきます。

項目楽天欧州(MSCI Europe)ニッセイ欧州株式500(Solactive 500)
対象指数MSCI Europe(約400銘柄)Solactive Europe 500 Select(500銘柄)
上位銘柄の傾向ASML・SAP・ノバルティスなど大型株中心ASML・SAPに加えHSBC、アストラゼネカなど幅広く分散
国別構成英・仏・独・スイス・蘭で約66%英・仏・デンマーク・スイス+その他で約7割
業種構成金融・資本財・ヘルスケアが三本柱金融・資本財に加え一般消費財・生活必需品も厚め
特徴大国中心の分散、低コスト裾野の広い分散、景気敏感セクター比率高め

📌 まとめ

  • 楽天欧州は、欧州の「代表的な大型株」をカバーするシンプルな構造。低コストで主要国に分散したい人向け。
  • ニッセイ欧州株式500は、より裾野を広く500銘柄に分散しつつ、金融や消費財など景気敏感セクターも厚め。回復局面でのリターンを狙いたい人向け。

👉 この比較を踏まえ、次の章で「私の方針(2025→2026)」として、どのタイプを選ぶかを整理していきます。

欧州投資信託4本の特徴まとめと私の投資戦略(2025年→2026年)

私の投資戦略

ここまでSBI欧州高配当・SMT欧州株配当貴族・楽天欧州株式・ニッセイ欧州500の4本を整理してきました。

結論として、私は 「欧州は“インカム+分散”の補助枠」 として位置づけ、非米・非日「高配当枠」を上限400万円と想定しています。現状の方針は以下のとおりです。

  • インデックス投資
    欧州インデックスはオルカンの一部で取り込み、欧州のみでは投資しない
  • 高配当投資の位置づけ
    欧州はコアではなく分散用途として利用。非米・非日「高配当枠」を最大400万円と想定しているものの、経費率を踏まえると実際に許容できるのは100万円程度。現状はSBI欧州高配当に50万円投資済み。
  • 経費率への考え方
    欧州高配当の経費率は概ね0.3〜0.6%と高め。基本は0.2%以下を目安にしているため、追加投資には慎重。
  • 意思決定タイミング
    2025年末に再度見直し。SBI欧州高配当に50万円一括を候補とし、日本高配当など他の選択肢も比較する。
  • 再確認チェック
    他の3本(SMT・楽天・ニッセイ)に配当分配の動きがあるか確認予定。

👉 つまり「配当収入を得つつ、欧州という地域分散を取り入れる」狙いは持ちつつも、経費率と運用効率を厳しく見極めながら補助的に活用する方針です。

欧州高配当投資のよくある疑問Q&A|分配金・タコ足・二重課税

分配金はいつ支払われる?権利確定日と決算日

  • 権利確定日:その日に保有していれば分配金を受け取れる“記録日”。
  • 決算日:投資信託の運用期の締め日。多くは決算日=権利確定日になり、数営業日〜数週間後に入金。
  • 実務の流れ(例)
    1. 決算/権利確定日に保有 → 2) 数営業日後に基準価額が分配落ち → 3) 受取 or 自動再投資。
  • どこで確認?:各ファンドの「月次レポート/目論見書/運用報告書」の「決算・分配方針」「分配実績」。証券会社のファンドページにも一覧あり。
  • NISA口座だと:分配受取の国内課税は非課税(ただし外国源泉税は別項参照)。

タコ足分配とは?仕組みと注意点

定義としては運用益だけでなく元本の一部まで取り崩して分配すること。日本の投信では「特別分配金(元本払戻金)」と表示します。税務の違いとしては

  • 普通分配金:課税対象(NISAは非課税)
  • 特別分配金:非課税だが取得価額が下がる

見分け方としては交付書面(取引報告書)で「普通分配/特別分配」の内訳を確認。基準価額が下がり続けるのに分配が続く場合はタコ足の疑いがあります。

隠れコストとは?欧州投資信託で気をつけるべき点

実質コスト(隠れコスト)とは運用報告書の「費用明細」の合計/平均純資産。信託報酬に含まれない費用が入ります。

  • 売買委託手数料、売買時スプレッド、保管費用、監査費用、目論見書等印刷費用、為替関連コスト 等。

欧州株ファンドで起きやすいこととしては以下の3点です。

  • 対象市場・通貨が複数 → 為替コストが積み上がりやすい。
  • 配当重視=入替/リバランスの頻度次第で売買コストが増えうる。
  • 純資産規模が小さいファンドは1口あたりコストが相対的に重くなりがち。

欧州株式投資の二重課税と新NISAの関係

課税口座の場合は

  • 現地源泉税:欧州各国で配当課税(国により税率・条約扱いが異なる)。
  • 国内課税:日本での配当/譲渡益課税。

NISA口座なら

  • 国内課税は非課税(配当・譲渡益)。
  • ただし現地源泉税は通常発生し、NISAでは外国税額控除が使えない(=原則取り戻せない)。

まとめ|欧州投資信託・ETFを補助枠としてどう活用するか

欧州ファンドの活用方法

欧州投資信託・ETFにはそれぞれ明確な個性があります。

  • SBI欧州高配当:銀行株やタバコ・エネルギーなど、利回り重視のアクティブ型。
  • SMT欧州株配当貴族:10年以上の連続増配企業を対象に、複利で成長を狙う無分配型。
  • 楽天欧州株式:MSCI Europeに連動し、低コストで欧州大型株をカバー。
  • ニッセイ欧州500:500銘柄に広域分散し、中小型株も含めて低コストで運用。

私はSBI欧州高配当を「欧州はインカム+分散の補助枠」と位置づけ投資していますが、欧州ファンドを取り入れるかどうかは、「今すぐ配当を得たいのか」「長期で複利を活かしたいのか」「低コストで分散したいのか」という自分の投資スタンスによって選び方が変わります。

「欧州を補助的に取り入れるべきか」「日本・米国とのバランスをどう取るか」――次の一歩を考えるヒントとして活用してみてください。

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