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- 育休を取りたいけれど、収入が減るのが心配
- 育児休業給付金はいくらもらえる?
- 2026年から始まった子ども・子育て支援金って、結局いくら払うの?
子育て中は、育休・給付金・社会保険・税金など、確認しておきたい制度がたくさんあります。
2025年4月には「出生後休業支援給付金」が始まり、一定の要件を満たすと最大28日間、従来の育児休業給付など67%に13%が上乗せされ、給付率80%・手取り10割相当となる仕組みが始まりました。
さらに2026年4月からは「子ども・子育て支援金制度」もスタートしています。この記事では2026年8月時点の制度をもとに、
- 育児休業と産後パパ育休
- 育児休業給付金
- 出生後休業支援給付金
- 社会保険料免除
- 子ども・子育て支援金
- 育休中の税金
- 育児中に使える働き方の制度
をまとめます。筆者自身も、2023~2024年に合計4.5か月の育休を取得しました。制度の説明だけでなく、「実際に育休を取って家計や生活がどう変わったか」という経験も交えながら紹介します。
育休制度をまず整理|2026年に使える制度一覧

最初に、似た名前の制度を整理しておきましょう。
| 制度 | 主な対象 | 内容 | 主な手続き先 |
|---|---|---|---|
| 育児休業 | 原則1歳未満の子を育てる労働者 | 会社を休んで育児する制度 | 勤務先 |
| 産後パパ育休 | 出生後8週間以内の子を育てる労働者 | 最大28日、2回まで分割可能 | 勤務先 |
| 育児休業給付金 | 一定の雇用保険要件を満たす人 | 原則67%、181日目以降50% | ハローワーク |
| 出生後休業支援給付金 | 一定要件を満たして出生直後に育休を取る人 | 13%を最大28日上乗せ | ハローワーク |
| 社会保険料免除 | 要件を満たす育休取得者 | 健康保険・厚生年金等を免除 | 勤務先経由 |
| 子ども・子育て支援金 | 公的医療保険の加入者 | 子育て施策の財源として医療保険料とあわせて負担 | 医療保険者 |
まず覚えておきたいのは、「育児休業を取得できる条件」と「育児休業給付金を受け取れる条件」は別ということです。
育児休業と産後パパ育休の違い
通常の育児休業は、原則として1歳未満の子を養育するための休業です。
保育所に入れないなど一定の事情がある場合には、最長2歳まで延長できる場合があります。一方、産後パパ育休(出生時育児休業)は、原則として子の出生後8週間以内に最大4週間(28日)取得できる制度です。
2回に分けて取得することもできます。
| 産後パパ育休 | 通常の育児休業 | |
|---|---|---|
| 主な期間 | 出生後8週間以内に最大28日 | 原則1歳まで |
| 分割 | 2回まで | 2回まで |
| 申出期限 | 原則2週間前 | 原則1か月前 |
| 休業中の就業 | 労使協定など一定条件で可能 | 原則休業 |
特に間違えやすいのが申出期限です。
産後パパ育休は原則2週間前、通常の育児休業は原則1か月前となっています。ただし、仕事の引継ぎや人員調整もあるため、実際には制度上の期限より早めに会社へ相談しておくのがおすすめです。
育休を取得できる人の条件
育児休業は、原則として1歳未満の子を養育する男女の労働者が対象です。
「1年以上働いていないと育休を取れない」と思われることがありますが、現在は勤続1年以上が一律の取得要件になっているわけではありません。ただし会社が労使協定を結んでいる場合には、
- 継続雇用1年未満
- 週の所定労働日数が2日以下
などの労働者が対象外になる場合があります。また、有期雇用の場合は、申出時点で子が1歳6か月になるまでに契約が終了し、更新されないことが明らかでないことなどが必要です。
ここで注意したいのが、次に説明する「育児休業給付金」です。
「雇用保険12か月」は育休を取る条件ではなく給付金の条件
育児休業給付金を受け取るためには、原則として育児休業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある月、または80時間以上働いた完全月が12か月以上あることなどが必要です。
つまり、「育休を取得できるか」と「育児休業給付金を受け取れるか」は分けて考える必要があります。転職直後や有期雇用の方は特に、勤務先やハローワークへ早めに確認しておくと安心です。
育休中にもらえるお金|育児休業給付金と出生後休業支援給付金

育休中の家計を考えるうえで中心になるのが「育児休業給付」です。
育児休業給付金はいくら?
一般的な育児休業給付金は、原則として、
- 育休開始から180日まで:休業開始時賃金の67%
- 181日目以降:50%
が基本です。育児休業給付は非課税で、一定の要件を満たす育休期間中は社会保険料も免除されます。そのため、「額面がそのまま3割以上減る」というイメージより、実際の手取りとの差は小さくなります。
ただし給付額には上限があります。また、会社から給与が支払われる場合などは支給額が調整されることがあります。
出生後休業支援給付金で最大28日「手取り10割相当」
2025年4月から始まったのが「出生後休業支援給付金」です。一定の条件を満たすと、
育児休業給付など67%+出生後休業支援給付13%=80%
となり、最大28日間上乗せされます。給付金が非課税で、育休中の社会保険料が免除されることなどを踏まえ、厚生労働省では「手取り10割相当」と説明しています。ただし「給与の100%がそのまま振り込まれる」という意味ではありません。
給付額には上限があり、勤務先から給与が出る場合などによっても変わります。
配偶者も14日以上の育休が必要?
原則として、本人だけでなく配偶者も対象期間中に通算14日以上の育児休業を取得することが要件になります。
ただし、配偶者が必ず育休を取らなければならないわけではありません。例えば、
- 配偶者がいない
- 配偶者が無業
- 配偶者が自営業・フリーランス
- 配偶者が産後休業中
- その他、配偶者が育児休業を取得できない一定の事情がある
といった場合には、「配偶者の育児休業を要件としない場合」に該当する可能性があります。特に父親が育休を取得するケースでは、母親が出産後の産後休業中であることから、配偶者が別途14日以上育休を取らなくても要件を満たすケースがあります。
「結局、出産から育児までにいくらもらえるの?」という方は、こちらの記事で申請時期とあわせて一覧にまとめています。
👉 【2026年最新版】出産でもらえるお金はいくら?妊娠〜育児の給付金を一覧で解説
育休中の社会保険料・税金はどうなる?

育休中は、給付金だけでなく「何を払わなくてよくなるのか」を理解しておくことも重要です。
社会保険料が免除される条件
要件を満たした育児休業期間中は、健康保険料・厚生年金保険料について、本人負担だけでなく事業主負担も免除されます。月額保険料については基本的に、
育休開始月から、育休終了日の翌日が属する月の前月まで
が免除期間です。また、育休開始月と終了日の翌日が同じ月になる短期の育休でも、その月に14日以上育休を取得していれば月額保険料の免除対象になります。いわゆる「月末に育休を取ると社会保険料が免除される」という仕組みだけではなく、短期間の育休にも対応した制度になっています。
一方、賞与の社会保険料が免除されるのは、連続して1か月を超える育児休業を取得した場合です。
短期間の育休をボーナス支給日に合わせるだけで、賞与の社会保険料が必ず免除されるわけではありません。なお、「育休初月は前月分の社会保険料が引かれる」といった見え方になる場合がありますが、社会保険料を当月控除するか翌月控除するかは会社によって異なります。
給与明細だけを見て「免除されていない」と判断せず、勤務先へ確認するのがおすすめです。
雇用保険料・所得税・住民税は?
育休中のお金を簡単に整理すると次のようになります。
| 項目 | 育休中の扱い |
|---|---|
| 健康保険・厚生年金 | 要件を満たせば免除 |
| 子ども・子育て支援金 | 被用者保険では育休等の期間中は免除 |
| 雇用保険料 | 給与が支払われなければ原則負担なし |
| 育児休業給付 | 非課税 |
| 所得税 | 給付金にはかからない |
| 住民税 | 前年所得をもとに課税されるため支払いが続く |
2026年度の一般の事業における雇用保険料は、労働者負担が賃金の5/1,000(0.5%)です。
雇用保険料は実際に支払われた賃金に対してかかるため、育休中に会社から賃金が支給されていなければ負担はありません。一方で注意したいのが住民税です。
住民税は前年の所得をもとに計算されるため、育休に入って給与が減っても、すぐにゼロになるわけではありません。育休に入る前に、
- 給付金が入る時期
- 住民税
- 毎月の固定費
- 生活防衛資金
まで確認しておくと安心です。
2026年は所得税の控除も改正
2026年度税制改正では、所得税の基礎控除と給与所得控除の最低保障額が引き上げられました。
給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円へ引き上げられています。また、基礎控除も所得に応じて引き上げられました。これらは原則として2026年分以後の所得税に適用されますが、2026年11月までの毎月の源泉徴収事務には変更がなく、2026年12月の年末調整などから反映される仕組みです。
育休の記事で給与所得控除の計算表をすべて掲載すると制度改正のたびに古くなりやすいため、この記事では詳細な税額計算までは行わず、
- 育児休業給付は非課税
- 育休によって年間給与が下がれば所得税にも影響する
というポイントを押さえておけば十分だと考えています。
育休中は社会保険料が免除される一方、働き方が変わると健康保険や厚生年金の負担も変わります。社会保険そのものの仕組みや、今後の負担の変化まで確認したい方はこちらも参考にしてください。
👉 【2026年版】社会保険はどう変わる?扶養見直し・金融所得反映と今からできる対策
2026年開始|子ども・子育て支援金はいくら?

2026年4月から「子ども・子育て支援金制度」が始まりました。
児童手当の拡充や育休給付の拡充、こども誰でも通園制度など、子育て支援策の財源の一部を社会全体で負担する仕組みです。会社員など被用者保険に加入している人は、医療保険料とあわせて支援金を負担します。
2026年度の支援金率は0.23%
2026年度の被用者保険の支援金率は、全国共通で0.23%です。
基本的には事業主と労働者が半分ずつ負担するため、本人負担は概ね0.115%相当になります。例えば標準報酬月額30万円なら、
30万円 × 0.23% ÷ 2
= 約345円/月
が本人負担の目安です。こども家庭庁では、2026年度の健保組合加入者の本人負担について、被保険者1人当たり平均で月約550円と試算しています。実際の負担額は標準報酬月額などによって異なります。
賞与にも子ども・子育て支援金がかかる
子ども・子育て支援金は毎月の給与だけではありません。
賞与についても、標準賞与額 × 支援金率をもとに計算されます。健康保険料や厚生年金保険料と似た仕組みと考えると分かりやすいでしょう。一方で、企業の従業員が産休・育休を取得している期間については、医療保険料や厚生年金保険料と同様に、子ども・子育て支援金も免除されます。
2028年度まで段階的に導入
子ども・子育て支援金は2026年度に一気に完成する制度ではなく、2028年度まで段階的に導入されます。政府が示している支援金総額の目安は、
- 2026年度:約6,000億円
- 2027年度:約8,000億円
- 2028年度:約1兆円
です。そのため、今後の支援金率については毎年度の最新情報を確認することが重要です。この記事でも毎年更新していきます。子ども・子育て支援金だけでなく、出産・育児・医療・税金など、暮らしに関わる制度全体を整理したい方はこちらにまとめています。
👉 知らないと損する!出産・育児・医療・税制で使える公的制度まとめ
育児中に選べる働き方の制度

2025年には育児・介護休業法も大きく改正され、「育休を取る」だけでなく、「復職後にどう働くか」という支援が拡充されました。
柔軟な働き方を実現するための措置
3歳から小学校就学前の子を養育する労働者に対して、事業主は次の5つから2つ以上の措置を用意する必要があります。
- 始業時刻等の変更
- テレワーク等
- 保育施設の設置・運営等
- 養育両立支援休暇
- 短時間勤務制度
労働者は会社が用意した制度から1つを選んで利用できます。会社によって利用できる制度が異なるため、就業規則や人事制度を確認してみましょう。
残業免除・子の看護等休暇も拡充
所定外労働の制限、いわゆる残業免除は小学校就学前までの子を養育する労働者へ対象が広がっています。「子の看護休暇」も「子の看護等休暇」に変わり、小学校3年生修了までが対象です。
病気やけがだけでなく、感染症による学級閉鎖や入園・入学式、卒園式などにも利用できるようになりました。子どもが成長すると「育休」は終わりますが、仕事と育児を両立する制度はその後も続きます。
育休をスムーズに取得する5つのステップ

① 育休を取りたい時期を考える
まずは、いつからいつまで休むかを家族で考えます。出産直後に夫婦で休むのか、少し時期をずらして父母が交代で休むのかでも生活は大きく変わります。
② 会社への相談は早めに
制度上の申出期限は、
- 産後パパ育休:原則2週間前
- 通常の育児休業:原則1か月前
です。ただし、ギリギリに申請するよりも早い段階で上司や人事へ相談する方が、仕事の引継ぎもしやすくなります。私自身も、育休の取得では「制度を知っていること」と同じくらい、早めに職場と相談しておくことが重要だと感じました。
③ 給付金と生活費を試算する
育休に入る前に、
- 給付金はいくらになるか
- いつ入金されるか
- 社会保険料はいくら減るか
- 住民税はいくら残るか
- 毎月いくら生活費が必要か
を確認しておくと安心です。育児休業給付は給与と同じタイミングで振り込まれるとは限りません。数か月分の生活費を現金で準備しておくと、家計の不安をかなり減らせます。
④ 必要書類を確認する
育児休業の申出、育児休業給付、出生後休業支援給付、社会保険料免除などは勤務先を通じて手続きを行うものが多くあります。
2026年8月にも育児休業等給付の申請手続きが見直されているため、過去の記事やSNSだけで判断せず、勤務先やハローワークの最新案内を確認してください。
⑤ パートナーと育休中の生活を話す
育休は「仕事を休む期間」であると同時に、家族の生活を作る期間でもあります。
夜間の対応、ミルク、寝かしつけ、家事、上の子への対応など、事前にざっくり話しておくだけでも負担は変わります。
実体験|4.5か月の育休を取得して感じたこと
私は2023~2024年にかけて、合計4.5か月の育休を取得しました。
最初の約1.5か月は妻と一緒に育休を取り、その後は子どもが4~6か月ごろに父子2人で生活する期間も経験しました。ミルク、おむつ替え、寝かしつけ、離乳食。
振り返ってみると、特別なイベントよりも、こうした毎日の方が強く記憶に残っています。もちろん、育休に入る前には収入面の不安もありました。
- どれくらい給付金が入るのか
- 家計は大丈夫なのか
- 仕事に影響しないか
と考えました。それでも実際に取得してみると、子どもの成長を間近で見られたこと、妻と育児を一緒に経験できたことは、その後のお金や働き方に対する考え方にも大きく影響しました。
ただし、育休の取り方に一つの正解があるとは思っていません。職場環境、収入、貯蓄、パートナーの働き方、子どもの状況によって、それぞれに合う形は違います。大切なのは「取る・取らない」を周囲の雰囲気だけで決めるのではなく、使える制度と家計への影響を知ったうえで、自分たちに合う選択をすることだと思います。
育休中は収入だけでなく、毎月の生活費をどこまで下げられるかも安心感につながります。わが家では育休をきっかけに家計を見直し、「たくさん稼ぐこと」だけではなく、少ない固定費でも満足できる暮らしを考えるようになりました。
👉 家計管理から始める節約ロードマップ|固定費削減・地方都市で暮らしを整える方法
まとめ|制度と家計を確認して、自分たちに合う育休を考えよう
2026年現在、育児中に利用できる制度はかなり充実しています。特に押さえておきたいのは、
- 産後パパ育休は原則2週間前、通常の育児休業は原則1か月前に申出
- 「育休を取れる条件」と「育児休業給付金の条件」は別
- 育児休業給付は最初の180日まで原則67%
- 出生後休業支援給付金は13%を最大28日上乗せ
- 条件を満たすと最大28日間は手取り10割相当
- 育休中は一定条件で社会保険料が免除
- 住民税は前年所得をもとに支払う
- 2026年度の子ども・子育て支援金率は0.23%
- 被用者保険では子ども・子育て支援金も育休中は免除
という点です。制度は知っているかどうかで、育休中の安心感が大きく変わります。
育休を検討している方は、まず勤務先に相談し、給付金と毎月の生活費を簡単にシミュレーションしてみることをおすすめします。家族にとって大切なのは「何か月育休を取ったか」だけではありません。
仕事、お金、家族との時間。
そのバランスを考えながら、自分たちに合った育休の形を選んでみてください。
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